ソースコード source code 2004 2 14

 今は昔、私が、COBOLという言語で、プログラムを書いていた頃の話です。
その頃は、プログラマーと言えば、職人気質の人が多かったのです。
 COBOLという言語は、人間の言葉に近かったのですが、
みんな、職人としての腕を見せるために、
プログラムを難解に書く者もいれば、
プログラムを極端に短く書く者もいました。
こうして、腕を競い合っていたのです。
 しかし、その結果、プログラムは、
プログラムを書いた本人にしか、わからないものとなってしまいました。
 そこで、私は、当時、構造化COBOL言語というもので、
こうしたプログラムを、誰にでも、わかるように改良しました。
この作業は、数万行、いや数十万行にも及んだかもしれません。
 そして、改良したプログラムを印刷し、同僚に、配布しました。
また、フロッピーディスクにも、コピーして、同僚に、配布しました。
 それを受け取った人は、それを、さらに改良し、
コンパイルして、機械語に変換し、使いました。
 こうして、多くの人が改良を加えることにより、
最初に、私が作った改良版よりも、はるかに優れたプログラムとなりました。
 なぜ、このような苦労ばかりの作業をしたかというと、
こんなことを思い出したからです。
 かつて、歴史の時間に、ルターという人について勉強しました。
ルターは、1521年5月から、
ラテン語の新約聖書を、
わずか3か月で、ドイツ語に翻訳してしまったのです。
こうして、聖職者だけのものだった聖書が、
庶民にも読める聖書となりました。






















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